猫リテラシーが低い飼い主がやっている5つの行動【飼い主失格?】
不幸な猫を減らして、幸せな猫を増やしたい。そのために、今回は「猫リテラシー」について考えたいと思います。
猫リテラシーとは、猫の習性や飼育方法についての知識を備え、正しい判断ができる能力を指します。
「猫リテラシーが低い飼い主」とは、飼い主失格レベルで猫の習性や飼育方法について理解していないということになります。そんな猫リテラシーが低い飼い主がやっている5つの行動をまとめてみました。
1.屋外飼育
猫は自由な生き物だから、自由に外に行けるようにしているという方はまだまだ多いです。しかし、猫ちゃんを大切に思うなら、完全室内飼育をおすすめします。
屋外飼育には危険がいっぱい
猫ちゃんにとって外には危険がいっぱいあります。交通事故で亡くなってしまう猫ちゃんは非常に多いです。他にも、寄生虫猫同士のケンカや虐待、誘拐といった危険もあります。
特に恐ろしいのが「感染症」です。猫エイズやウイルス性白血病、寄生虫などは、他の猫と接触することによって感染します。
このように猫を屋外飼育するということは、命を危険にさらしているということになるのです。
2.不適切な食生活
猫ちゃんがかわいいからといって、キャットフードやおやつの与えすぎはNGです。肥満の原因になってしまいます。
かといって手作り食を与えることが、猫リテラシーの高い飼い主ということにはなりません。猫ちゃんの年齢や体調にあわせて「総合栄養食」と表示のあるフードを主食にし、適量を与えましょう。
また、新鮮な水をいつでも飲めるように、複数個所に置くようにしましょう。
猫が絶対に食べてはいけないもの
猫リテラシーの高い飼い主さんならよく知っていると思いますが、人間がおいしく食べているものでも、猫ちゃんにとっては毒になるものがあります。
●タマネギ・ネギ・ニラ・ニンニク
ネギ類に含まれる物質が赤血球を破壊し、貧血、食欲不振、呼吸困難、血尿、嘔吐などの症状を引き起こします。火を通しても毒性は消えません。
●チョコレート
カカオに含まれる成分によって中毒症状を起こします。嘔吐や下痢、発熱の症状が見られ、重度の場合は死に至ります。
●アボカド
嘔吐や下痢、呼吸困難などの中毒症状が起こります。
●生の魚介類
体内のビタミンB1が欠乏し、後脚の麻痺を引き起こします。
●生の豚肉
トキソプラズマという寄生虫が潜んでいる場合があります。
ほかにも、与えすぎに注意が必要なものもあります。環境省ホームページに詳しく紹介されているので、ぜひ覚えておきましょう。
3.長時間の留守番
仕事をしている飼い主さんの場合、日中は猫ちゃんだけで留守番をしてもらうことになります。猫ちゃんは単独行動を好む傾向にありますが、長時間の留守番はやはり心配です。
なるべく快適に過ごせるように、キャットタワーや爪とぎを置いてあげましょう。帰宅が遅くなる場合や1泊で外出する場合は自動給餌器を使い、水も複数個所に置いておくと安心です。トイレも予備のものを用意しておくようにします。
夏場の留守番はエアコンが必須です。扇風機はケガや感電の危険、網戸では脱走の恐れがあるため、エアコンを使って熱中症対策をするようにしてください。
お留守番させた後は、いつも以上にたくさんコミュニケーションをとり、体調に異変がないか確認してください。1回の遊びの時間は短くてもいいので、何回か遊んであげるようにしましょう。
2泊以上のお留守番はおすすめできない
2泊以上のお留守番が必要なとき、ペットホテルや動物病院に預けられたらいいのですが、自分のなわばりから出ることでストレスを感じる猫ちゃんも多いです。
あらかじめ友人や知人に相談しておく、ペットシッターを手配しておくなど、信頼できる人にお世話を頼めるようにしましょう。
4.過剰な多頭飼育
猫ちゃんが寄り添って寝たり、じゃれあったりする姿はとってもかわいいです。しかし、過剰な多頭飼育は、猫ちゃんのストレスになるだけでなく、衛生環境の悪化にもつながります。
一般的には「猫ちゃんが自由に行き来できる部屋の数マイナス1」が、飼育頭数の上限とされています。
望まない繁殖、多頭飼育崩壊を防ぐ
異性の猫ちゃんを多頭飼いするなら、避妊・去勢手術をおすすめします。望まない繁殖を防げますし、病気の予防にも繋がります。発情期がなくなるので、ケンカやスプレー行為も減らすことができます。
避妊・去勢手術をしないまま繁殖を放置すれば、子猫が増えすぎて飼えなくなる「多頭飼育崩壊」を起こしてしまいます。結果的に不幸な子猫を増やすことになるので、猫の繁殖には責任を持ってください。
5.飼育放棄
猫ちゃんに限らず、すべてのペットは「終生飼養」が原則です。「もう飼えなくなった」からといって、捨ててはいけません。
飼い主のいない猫ちゃんは保健所や動物愛護センターに収容され、期限までに里親が見つからなければ殺処分されてしまうのが現状です。猫リテラシーが低い行動とういうより、ぜったいにあってはならないことです。
平成25年に改正された「動物愛護管理法」にも、動物の飼い主に「終生飼養」の責任があることが明示されています。「もう飼えなくなった」という理由では、保健所や動物愛護センターは引き取りを拒否できます。
家庭環境の変化、入院などで猫ちゃんを手放さなければならなくなったら、あらゆる手を使って里親を探してください。それが飼い主の責任です。
猫にとっての幸せとは?
猫を飼っている人なら「うちの子になって本当によかったのかな?」「この子は野良のほうが幸せだったのでは?」と考えてしまうかもしれません。
猫ちゃんにとっての幸せがどんなものか、私にも答えがわかりません。だけど、いちばん大切なのは最期まで責任を持って暮らすことだと思っています。
アニマルウェルフェアという考え方
「アニマルウェルフェア」とは1960年代のイギリスで提唱された、人間と暮らす動物のQOLを高めようという国際基準の考え方です。もともとは家畜の飼育方法についての指標でしたが、近年ではペットに対しても用いられています。
※ QOL=Quality of Life(クオリティ・オブ・ライフ)「生活の質」と訳すこともあります。
「ストレスなく健康的で快適な飼育環境」の指標として、「5つの自由」が定められています。猫ちゃんとずっと幸せに暮らすために、飼い主としてこの「5つの自由」を意識するようにしましょう。
●飢え・渇きからの自由
年齢や健康状態にあわせたフードと新鮮な水を用意しましょう。
●痛み・負傷・病気からの自由
ケガや病気を予防し、定期的に健康診断を受けるようにしましょう。
●恐怖・抑圧からの自由
ストレスや不安を感じさせないように接しましょう。
●不快からの自由
清潔で快適に過ごせる環境を用意しましょう。
●本来の行動がとれる自由
猫の習性や本能に合った暮らしができるように工夫しましょう。
参考:環境省ホームページ
まとめ
屋外飼育、不適切な食生活、長時間の留守番、過剰な多頭飼育、飼育放棄は猫リテラシーが低い飼い主がやっている5つのNG行動です。
いまテレビCMで『にゃんぱく宣言』を目にする機会が多いと思いますが、猫の適正飼育についてとてもわかりやすく伝えているので、つい口ずさんでしまいます。
動画はこちらから:ACジャパン「にゃんぱく宣言」
猫の正しい飼育方法については様々な意見があります。お金や手間暇をかければいいというものではありません。猫ちゃんを幸せにするためにしてあげられることを、無理のない範囲で取り入れてみましょう。
というわけで、今回は「猫リテラシーが低い飼い主がやっている5つの行動【飼い主失格?】」の話をしてみました。
参考になれば幸いです。
では、また。
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